大原しだれ桜

大原しだれ桜

大原しだれ桜目次

大原しだれ桜について

大原しだれ桜は、大分県日田市田島の大原八幡宮のすぐ近くにあり「大原の大しだれ桜」「大原大しだれ桜」などと呼ばれたりもします。

1998年(平成10年)に日田市の特別保存樹に指定されるとともに「水郷ひた環境百選」に選ばれました。

特別保存樹とは、日田市が緑豊かな郷土を永遠に保存するために指定した木のことです。

しだれ桜はソメイヨシノよりも1週間ほど早咲きの桜で満開時はモコモコとあふれるかのように咲きこぼれます。遠くからでも存在感たっぷりな大原しだれ桜の樹高は12mあり幹回りは2.5mと圧巻です。

1本しかないのに見ごたえ充分なボリュームに感動します。

花一つ一つの大きさは小ぶりなのですがそれが満開時のモコモコ感を増幅させているのかもしれません。

そしてこの大原しだれ桜の推定樹齢はなんと約200年

さらにこのしだれ桜には伝承があり、徳川家康のひ孫である松平直矩(まつだいら なおのり)ゆかりの桜だそうです。

1682年、松平直矩は姫路藩から日田へ着任します。

当時は大名などを他の領地へ移す国替えが頻繁にあり、「引っ越し大名」というあだ名が付けられるほど松平直矩は移封(いほう)が多い大名でした。

日田に着任してから僅か4年後の1686年に山形へとまた移封されます。

しだれ桜の所有者のご先祖は、松平直矩の家老であった吹雪家の娘を嫁に貰われましたが松平直矩が山形へ移る際、家老が日田に残る娘のことを想い吹雪家当主が植えていったのがこの大原しだれ桜だと伝えられています。

なんだかとても歴史を感じ、このしだれ桜が植えられた背景を考えると感慨深いですよね。

200年経った現代でも同じしだれ桜が同じ場所にずっとあるというのはロマンを感じます。

こうして私たちがしだれ桜を見られるのもご先祖から受け継いだ桜を子孫の方たちが大切に守ってくれたおかげです。

大原しだれ桜のすぐそばには江戸時代後期に造られた小ケ瀬井路(おがせいろ)という水路が流れています。

この水路に数百のしだれ桜の枝が垂れさがる様子はまるで絵葉書のように美しいです。

また、満開時期には日田市観光協会主催の元夜のライトアップも行われています。

闇夜に浮かぶ薄ピンク色の花弁はとても幻想的で美しく昼とはまた違った面を楽しめます!天候が良ければ月と夜桜のツーショットが拝めることも!月と夜桜って風情があっていいですよね。

そもそもしだれ桜とはどのような桜なのでしょうか。

しだれ桜は別名「イトザクラ」とも呼ばれており枝が糸のように垂れていることからつけられた名前だそうです。

平安時代にはすでに親しまれていたようで「しだり櫻」「糸櫻」などと記載された文献も見つかっています。昔から日本人に愛されていた桜だったのですね。

花言葉は「優美」「ごまかし」

見た目の華やかな印象にちなんで「優美」、垂れ下がった枝の様子が何かを隠しているように見えることから「ごまかし」とつけられたそうです。

しだれ桜は当たり前のように枝が垂れていると思いがちですが、枝が垂れる由来は突然変異により引き起こされます。

「ジベレリン」という植物のホルモンが不足すると枝の上部の組織がしっかり形成できなくなり、枝が伸びるとその重力に耐えられず垂れてしまいます。

枝が垂れるのは遺伝的に劣性であるため、しだれ桜の子であったとしても必ず枝が垂れるというわけでもないのです。

ちなみに厳密にいうと「しだれ桜」という単語は枝の垂れた桜の総称で特定の種類を指すものではありません。

しだれ桜には以下のような種類が挙げられます。

八重紅枝垂(やえべにしだれ)

4月上旬に開花しピンク色の花を咲かせます。八重咲きする品種のため遠くから見てもボリュームのある美しい花が特徴です。

清澄枝垂(きよすみしだれ)

4月中旬に開花し白い花を咲かせます。

紅枝垂(べにしだれ)

3月下旬に開花し濃い紅色の花を咲かせます。

さらにしだれ桜は寿命が長いという特徴があり長いものだと樹齢1000年を超えるものもあります。

たまたま生まれた遺伝的に劣性な桜がこんなにも美しく長寿だなんて不思議です。

樹齢1000年のしだれ桜が存在するなら大原しだれ桜もこの先何百年と美しい姿を見せてくれそうですね。

江戸時代からずっと日田の地を見守ってきたしだれ桜。これまでもこれからも何百万人、何千万人の人たちを魅了していくのでしょう。

大原しだれ桜はJR日田駅から徒歩圏内にあります

車がない人でも訪れやすく、周辺には神社や公園など散策できるところもあるので天気がよければ春のポカポカ陽気の中を散歩するのも気持ちよさそうです。

車で行くときも満開の時期は臨時駐車場が設けられており桜観賞しやすいのは嬉しいポイントですね。

トイレもあるようなので観賞する側としてはかなり有難いです。

近くに他の桜の木もあるのですが、しだれ桜と開花時期が違うので遠方から見に行く人はどちらかの満開を優先させないといけないのが辛いですね。

でもせっかくなら開花が一足早いしだれ桜を堪能して春の訪れを感じてみてはいかがでしょう。

見どころ

しだれ桜は通常の桜とは違い、枝が垂れており幹を包み込むように咲いています。

毎年3月末頃が満開の時期となり、ソメイヨシノよりも1週間ほど早咲きなのが特徴です。

例年だと大原しだれ桜の見頃は3月下旬~4月上旬となっていますが、気候により多少のずれが生じることもあります。

また悪天候だと早くに桜が散ってしまうのでこればかりは自然任せの運ですね。「大原しだれ桜 見頃」でネット検索するとウェザーニュースなどで開花状況がアップされているのでチェックしておくとよいでしょう。

大原しだれ桜は歩道を覆ってしまうのではと思ってしまうほど枝が垂れており、遠くからでも見える大きな桜の木は無視して通り過ぎることができない圧倒的な存在感があります。

しだれ桜のすぐそばには江戸時代に造られた小ケ瀬井路(おがせいろ)が流れており、その上に垂れた桜という構図は趣があってなんとなく懐かしい感じがします。

さらに、満開の時期だと花弁も結構な量が散っていきます

散った桜の花弁が小ケ瀬井路の水面に浮いている様は言葉のまま桜の川のようです。 

薄ピンク色の花弁が流れる様子は想像しただけでもメルヘンですよね!

それから大原しだれ桜を観賞する時はぜひ向かいの歩道へも渡ってみてください。

しだれ桜は近くで見てもきれいですが、遠くから見た時の樹形も見どころの一つです。

向かいの歩道からしだれ桜の全体像を眺めると、大きな花笠があふれんばかりに咲いていて非常に美しい樹形を確認することができます。

ソメイヨシノとは枝の形が違うので同じ桜でも新鮮な感じがします。

そして、大原しだれ桜は夜のライトアップが人気イベントです!

開花状況によってライトアップの期間や時間帯が変わるので気になる人は事前に確認しておきましょう。

基本的に桜が散ってしまったらライトアップ終了です。

想定外の突風で桜が散ってしまいライトアップも急遽中止になってしまったという過去もあるようです。

主催者は日田市観光協会となっているので開花時期に問い合わせてみてください。

夜の大原しだれ桜は日中の美しさとはまた違った姿を見せてくれます。

ライトアップによって暗闇に浮かび上がるしだれ桜の姿は神秘的な雰囲気が増して印象がガラリと変わります

昼間に見る桜よりライトアップされた夜桜の方が綺麗だという意見も少なくありません。

一生に一度は見てみたい桜だという人もいるほどです!

ぜひ機会があれば見に行ってみてください。

付近

大原しだれ桜周辺のおすすめスポットをいくつかご紹介します。

大原八幡宮

まずお隣にある大原八幡宮です。

本殿にたどり着くまでに100段の階段があって大変ですが、立派な本殿で参拝すると頑張ってよかったと思えます。

境内は清掃が行き届いており森林の中にあるので空気が一層澄んでいる感じがして厳かな気分に自然となります。

御朱印ももらえますよ!しだれ桜を見た後に参拝する人も多いようです。

しだれ桜が散る頃に行くなら中野川の八重桜も訪れてみると良いと思います。

JR日田駅から徒歩数分の場所にあり、日田市内を流れる中野川沿い約1㎞に渡り200本余りの八重桜を見ることができます。

八重桜の見頃は4月上旬~下旬にかけてなので、しだれ桜と入れ替わりですね。

中野川の八重桜もライトアップされ、こちらもとても幻想的で綺麗なのでおすすめです!

西洋菓子処MOMO

甘いお菓子を買って帰るなら西洋菓子処MOMOに立ち寄ってみてください。

このお店はシュークリームが有名なのですが、大原しだれ桜の満開時期には季節限定の桜味のモンブランケーキが発売されます

もちろんモチーフは大原しだれ桜です。

季節と名所を同時に味わえるスイーツなんて素敵ですよね!

もちろんしだれ桜周辺を散歩するだけでも気持ちいいのですが、時間に余裕があるなら少し足を伸ばしてみはいかがでしょうか。

アクセス

大原しだれ桜は大分県日田市田島にあります。

日田駅

最寄り駅は、JR久大本線日田駅で徒歩だと駅から約10分でしだれ桜があるスポットまで行けます。

駅からタクシーを利用する場合は約3分で料金は片道500円ほどです。

車で大原しだれ桜へ向かう場合は大分自動車道日田ICより約10分です。

アクセスが良いとちょっとしたお出かけでも行きやすいですね!

駐車場は開花の期間だけ約20台分の臨時駐車場が完備され無料で停められます。

それでも満開の時期は臨時駐車場も混み合う可能性があります。

近隣住民の迷惑になったり交通の妨げになったりするので駐車場が空いていないからといって道路に駐停車しないようにしましょう。

大原しだれ桜は座って観賞できる場所はないため、通常10~20分くらいで帰る人がほとんどです。

駐車場の空きがない場合でも回転率は高いと思われるのでマナーを守って気持ちよく観賞したいですね。

ちなみに駐車場にはトイレが設置されているので周辺を散策する場合に助かります。

大原しだれ桜は道路に面しており、車からでもすぐに確認ができる場所にあります。

運転中に思わず見とれて前方不注意にならないよう気を付けでください

徒歩の人も他の歩行者の邪魔にならないよう周りに注意を払って観賞しましょう。

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