松原ダム目次
松原ダムは、1973年(昭和48年)に完成した大分県日田市と熊本県小国町にまたがるダムです。
昭和28年6月の西日本を襲った豪雨災害は松原ダムのある筑後川上流に甚大な被害をもたらし、死者147名となる未曾有の豪雨災害となりました。
この経験から、昭和32年にダムによる筑後川の治水計画が立案され、洪水調節や発電も可能な多目的ダムの建設が計画されました。
それが現在ある松原ダムと下筌ダムです。
松原ダムは昭和33年に工事が着手され、杖立川と津江川の合流地点にあたる大分県日田市に重力式コンクリートダムとして昭和48年3月に完成しました。
高さ48m、総貯水容量54,600,000m3を誇る大規模なダムです。
重力式コンクリートダムは、コンクリートをたっぷり使って作った壁の重さで貯水した水を支えるもので、見た目は平らに見える壁のようですが横から見ると三角形になっているのが特徴です。
そのため地面に向かって広がりを持たせているので、どっしりとした姿がたいへん印象的です。
ほぼ同時期に工事が着手された下筌ダムと合わせて現在は日田市・久留米市を含めた下流域を水害から守り、最大電力127,500KWを供給しています。
松原ダムができて誕生したのが「梅林湖」と呼ばれる人造湖で、その周辺は春には梅や桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色や渡り鳥の飛来と四季折々の美しい姿を見せてくれます。
「梅林湖」という名前の由来は地元の特産である「梅」にちなんだものです。
また、ダム湖では2005年から地域活性化のため地元住民で作る有限会社「松原ダム遊覧観光」が遊覧船を運行しています。
毎年水位が上がる11月から翌年5月にかけて約20人乗りの遊覧船は、熊本県小国町にある杖立温泉の桟橋と松原ダム資料館から津江川上流にある下筌(しもうけ)ダムまで約7kmを1時間かけて往復しています。
発着場が2つあるのは、ダムの水位によるものでどちらも発着場から下筌(しもうけ)ダムを折り返すコースで、ダムの大きさを実際に体験できます。
遊覧船から見る「梅林湖」の水面すれすれまで伸びた枝や紅葉が鏡のような湖面に映り込む光景はなんとも言えません。
なお、遊覧船に乗船する方は前日までに予約が必要
(松原ダム遊覧観光 080-6409-8718)です。
大人は1700円、小学生800円、未就学児は無料となっています。
松原ダムではダム見学が可能で平日9:00〜17:00(土日祝日は要相談)、基本コース60分、模型の説明やダムで使われている機器の説明など追加するコースもあります。
普段見ることができないダムの中を見て回るのは子供から大人まで貴重な経験といえるでしょう。
さらに、ダムの湖面からは建設前にあった道路や住宅の跡を見ることができます。
かつてここにあった集落の姿と人々の生活に思いを馳せることができます。
また、遊覧船は下筌ダムの真下まで船を進めることができます。
ここから見上げる筑後川唯一のアーチ式コンクリートダムの姿は雄大であり必見です。
松原ダムはボートフィッシングが楽しめ、個人によるエンジンボートが使える希少な場所として知られていてブラックバス釣り客も少なくありません。
利用するためにはダムの管理事務所に申請書の提出が必要で、利用時間のルールなど規則を守らなければなりません。
近年そのルールを守らないケースが多く見られ、松原ダムを管理している筑後川ダム統合管理事務所から注意喚起が出ています。
マナーを守れないようであれば「梅林湖」でのレジャーも閉鎖になる可能性が高いので注意しましょう。
松原ダムのある日田市には歴史や観光が楽しめるスポットが多くあり、押さえておきたいところです。
ダム周辺には地元で採れる山菜や川魚を活かした料理を提供するレストランや特産品の梅干しや梅の加工品、野菜、果物などを販売する道の駅もあります。
松原ダム見学を終えてひと休みしに立ち寄ってみてはいかがでしょう。
松原ダムがある大分県日田市は温泉をはじめ観光スポットがたくさんあります。
特に天領でもあった日田市には白壁造りの街並みで有名な「豆田町」、滝の裏側を歩くことができる「慈恩の滝」、江戸時代からの伝統が生きている焼き物の里「小鹿田焼の里」、神功皇后伝説で有名な「杖立温泉」のほか、グルメなど盛りだくさんです。
そのほかには日帰り観光しながら立ち寄り湯が楽しめる「天ヶ瀬温泉」も魅力的です。
松原ダム周辺は自然豊かなレジャースポットでもあることから、足を伸ばせばキャンプやバーベキューが楽しめるアウトドアスポットも充実しています。
初心者でも安心してキャンプが気軽に体験できる「スノーピーク奥日田」など思い思いの四季折々の楽しみ方を満喫できる施設が揃っているのも魅力といえるでしょう。
大分県と熊本県の中でも特に風光明媚なエリアにある松原ダムは、巨大なコンクリートでできたダムの魅力、さらに周辺地域では慌ただしい喧騒を忘れて温泉で疲れを癒し、グルメやレジャーを自然の中で体験できるスポットです。
日田市の山間部にある松原ダムの見どころはダム湖で遊覧船に乗れることです。
松原ダムは、昭和48年に筑後川上流に建設された水郷日田市の水源地でもあり、ここの特産品である「梅」にちなんで「梅林湖」と呼ばれ親しまれています。
松原ダムといえば名物の観光遊覧船です。
地域活性化に貢献しようと地元の人たちが毎年ダムの水位が上がる11月から翌年5月にかけて運行しています。
おすすめは四季折々の美しい景色が楽しめることです。
湖水を悠々と進む渡鳥、紅葉の時期から雪景色、さらに春には梅から桜とさまざまな表情を見せてくれる松原ダムを遊覧船で巡る旅はわずか1時間あまりとはいえ思い出に残ることでしょう。
遊覧船のルートは水位によって発着場は2つあり、杖立温泉の桟橋と松原ダム資料館です。
どちらも上流にある下筌ダムを折り返すコースで、ダムの真下まで船が進むため雄大なダムの姿を間近で見ることができます。
下筌ダムは美しい曲線のアーチ式ダムとして知られ、ダム好きな人には堪らないその姿を見に全国から訪れる人もいるほど。
遊覧船に乗船するためには事前予約が必要で1回につき最大20名しか乗船できません。
船上から見える景色は地上だけではありません。
水面下に目をやるとダム建設までにここで生活していた人の住宅や道路を見ることができます。
冬場は水位が高くなるためほとんど見ることはできませんが、春先になると水位が下がるため当時の集落が水面下に見えてきます。
人々がこの地に生活し、生きていた様子がまざまざと思い浮かぶ貴重な瞬間といえるでしょう。
また、夏にはカヌーやマリンジェットが楽しめることでも知られています。
さらに、松原ダムは九州ではブラックバス釣りのメッカとまでいわれており、各地から釣り愛好家が訪れることで有名です。
ただし、松原ダムは大切な水源地でもあるため、こうしたレジャーができるのもきちんとルールを守っているからこそ。
ダムを管理する筑後川ダム統合管理事務所からは注意勧告が出されているので、ルールを守って誰もが気持ちよく松原ダムを利用できるようにしましょう。
大分県日田市と熊本県阿蘇郡小国町にまたがる一級河川・筑後川水系津江川に建設された松原ダムと下筌ダムは「兄弟ダム」であり、どちらもダム見学ができます。
ダムの内部や操作室の案内、ダムの模型を利用した説明など、通常一般の人が立ち入ることができないエリアも見学可能です。
学校行事、地域行事、家族や友だち同士の見学もできますので気軽にお問合せください。
なお、見学時間は平日9:00〜17:00まで、土日祝日は別途ご相談ください。
問い合わせ先:筑後川ダム統合管理事務所
松原ダム管理支所 TEL 0973-52-3121
下筌ダム管理支所 TEL 0973-54-3120
松原ダムから程近くに、渓谷から流れ落ちる豊かな水を育む奥日田があります。
観光地化されすぎていないありのままの大自然を感じる奥日田には、ツーリングやドライブを楽しむ人が訪れています。
渓流釣りや川遊び、さらにはキャンプなどもできて非日常を感じさせてくれます。
専用のキャンプ施設や宿泊施設などもあり、渓流と深い森林に囲まれた奥日田で迎える朝は、朝靄にけむり、その姿は水墨画のような風情といえます。
また、松原ダム周辺には地元の山菜や川魚を食べさせてくれるレストランや特産品を販売する道の駅もあります。
松原ダムに行った旅の思い出として、お土産にいかがですか。
大分県と熊本県の県境を流れる杖立川は古くから温泉地として知られ、1800年前に神功皇后が応神天皇を出産した際の産湯として伝えられる「杖立温泉」。
また、九重連山から流れる玖珠川を挟んで広がる開湯1300年の天ヶ瀬温泉には、共同露天風呂があり、日帰り入浴が楽しめます。
天ヶ瀬温泉は由布院温泉、別府温泉と並んで「豊後三大温泉」といわれ、秘境を思わせる雰囲気に包まれているのが特徴です。
福岡からドライブがてらに天ヶ瀬温泉に日帰り入浴を楽しみに訪れる人もいます。
自然に恵まれた松原ダムへのアクセス方法について解説しましょう。
主なアクセス方法として3つの方法があります。
まず、乗用車の場合は、一番ポピュラーなアクセス方法は大分道日田ICよりR212経由して、大山・中津江・小国方面へ向かうルートで約30分です。
もう一つご紹介するのは、大分道玖珠ICからはR387を経由して大山・中津江・小国方面へ向かうルートで約50分かかります。
なお、松原ダムには、無料駐車場が15台分あります。
JRを利用される方の最寄駅はJR日田駅になります。
それでは、日田駅までのJRを利用したいアクセスについてみていきましょう。
- JR博多駅から特急1時間10分(鹿児島県経由)
- JR大分駅から1時間40分(久大本線)
- JR久留米駅から40分(久大本線)
- JR小倉駅から2時間10分(日田彦山線)
JR日田駅まで高速バスを利用したアクセスをご紹介します。
- 福岡空港から1時間15分
- JR博多駅か1時間30分
- 天神バスセンターから1時間20分
- 別府から1時間20分
JR日田駅から日田バス(日田〜杖立線あるいは松原ダム線)かタクシーで約30分。日田バスご利用の方は「松原ダム」で下車して徒歩。